top of page

​過去のセミナーについて

02

第2回RAヘルスプロフェッショナル研究会

2024年7月2日(火)19:00~20:30に開催しました

デスクに置かれたノートパソコン

第2回日本RAヘルスプロフェッショナル研究会のテーマは、「関節リウマチに合併した肺病変」。特に間質性肺炎は、関節リウマチや強皮症と言った疾患に多く見られます。この間質性肺炎について、医師、看護師、作業療法士の立場からのお話がありました。

「リウマチ性肺疾患患者に対するメディカルスタッフへの期待」

 産業医科大学医学部第一内科学講座 教授 田中良哉 先生

日本人の関節リウマチ患者さんに胸部CTを撮ると50%に間質性肺炎を合併しており、そのうちの40%は進行性の間質性肺炎と言われているそうです。関節リウマチに合併している間質性肺炎(RA-ILD:RA-Interstitial lung disease )の5年生存率は40%で、特にUIPパターン(線維化病変が特徴)では、線維化が進むと悪化しやすいので、十分注意をする必要があります。
特発性間質性肺炎の治療薬の一つであるニンテダニブのお話を伺いました。副作用としては消化器症状(下痢など)がありますので、治療中の患者さんと十分なコミュニケーションをとり、情報の共有を行い、対応しなければなりません。
また、間質性肺炎の聴診では、両下肺野に捻髪音(ねんぱつおん、ファイン・クラックル音)が聞こえます。バリバリ、パリパリといった音が聴診できます。聴診は医師だけが行うことでなく、メディカルスタッフによる聴診で観察は可能です。この観察で患者さんの病状の変化や早期発見にもつながり、チーム医療としての協力が重要とお話されました。
「関節が痛い…」だけを観察するのではなく、関節リウマチに合併する疾患についても十分に観察し、ケアを行うことの重要性を再確認できました。
田中先生、ご講演、ありがとうございました。

「呼吸器疾患合併のリウマチ・膠原病患者の看護」 

 あずまリウマチ・内科クリニック 副院長 新井由美子 先生

呼吸器疾患を合併しているのは、関節リウマチだけではありません。膠原病、特に強皮症では間質性肺炎合併例が多く見られます。呼吸器疾患を合併している患者さんは、急速進行した場合は呼吸困難などの症状が見られますが、ゆっくり進行する場合は、患者さん自身が息苦しさなどの症状に気づかない場合があります。看護師は、呼吸器疾患を合併している患者さんに対し、どのように観察をし、どのように症状の変化に察知できるかがポイントになるとお話がありました。

「呼吸障害患者の運動と日常生活の工夫」
 岡山大学病院 総合リハビリテーション部 副士長 作業療法士 松山宜之 先生

呼吸器疾患の患者さんに呼吸器リハビリがあることを知らなかった私は、目からうろこ。関節リウマチの患者指導に奥が深いと実感してしまいました。日常生活動作の中で呼吸が見られる動作、整える動作についてお話がありました。日常生活が安心して。安楽に過ごすことができるようなリハビリテーションの知識を身につけないとと思いました。
 

第2回日本RAヘルスプロフェッショナル研究会、いかがでしたか?
多職種が集まる研究会ですので、たくさんの情報を知ることができますね。
お忙しい中、私たちの研究会でのご講演を受けてくださった田中良哉先生、本当にありがとうございました。
それでは、次回、第3回日本RAヘルスプロフェッショナル研究会も、どうぞよろしくお願いいたします。        

                                                 文責 洲崎みどり

デスクに置かれたノートパソコン

01

第1回RAヘルスプロフェッショナル研究会

2023年12月15日(金)19:00~20:30に開催しました

*Opening Remarks* 宝塚大学 房間美恵 先生
日本RAヘルスプロフェッショナル研究会の概要についてお話ししていただきました。

【特別講演】
「最新のRA治療戦略とメディカルスタッフへの期待」

  埼玉医科大学 学長 / 慶応義塾大学 名誉教授 竹内勤 先生

第1回日本RAヘルスプロフェッショナル研究会の特別講演に竹内 勤先生にご講演をお願いしたところ、師走のお忙しい中にも関わらず、お受けくださいました。竹内先生、本当にありがとうございました。
竹内先生のご講演の中で、2023年11月にAPLAR(Asia-Pacific League of Associations for Rheumatology Congress )の理事長にご就任されたとのご発表がありました。その中で、日本のヘルスプロフェッショナルの方たちもAPLARに参加し、日本の医療、看護、メディカルスタッフの活動を広めてほしいとおっしゃっていました。「いや、いや、そんな、恐れ多い」と正直思いましたが、同じアジアである日本が交流できる場であることは間違いありません。私たち、ヘルスプロフェッショナルの活動がアジアだけでなく、世界にも広がるように、日々、精進していこうと思いました。
また、参加されていた多職種の方たちからのたくさんの質問にひとつひとつお答えくださりました。各職種がエビデンスを構築できるような研究を行うこと、それぞれでなく、すべてのメディカルスタッフ共同で作るエビデンスを発信してほしいとのご助言をいただきました。壮大なスケールのことではありますが、みなさんの中で、ひとつ大きな目標ができたのではないでしょうか。

【基調講演】
「患者さんの〇〇のために!Treat to Target 実践を目指す」  

  ひがみリウマチ・糖尿病内科クリニック 看護師長 松村陽美 先生

松村さんからのご講演は、クリニックに来院された患者さんのお話がありました。患者さん自身が治療方針や症状が安定しないことに不安を感じられていて、関節破壊が進んでしまったケース。診察をされた医師の一言、「辛かったですね」。患者さんの苦しみが、パーっと解放された瞬間だったと思います。私たちは治療や薬剤のことだけでなく、日常生活のことについても患者さんに理解していただけるような指導をする必要があります。そのためにはわかりやすい言葉で、患者さんが正しく理解できるような知識や技術の習得が重要です。患者さんが中心の医療や看護、ケアができるように、多職種が連携、協力をして、それがTreat to Targetにつながると思いました。
 

「薬剤師目線でT2Tの実践を考える」 

  大阪府済生会中津病院 薬剤部長 萱野勇一郎 先生

萱野さんからのご講演。病院薬剤師としてのTreat to Targetは、やはり患者さんがきちんとお薬を飲んでいただく、そのためには、どのような関わりをしたらいいかというお話でした。MTXは週に1回もしくは2、3回に分けて内服する薬剤です。週1回内服する…患者さんにとっては、慣れない、難しい内服方法かもしれません。患者さんから「薬は毎日のむものでしょ?」と言われ、MTXを毎日内服していた事例をご紹介されました。”薬は毎日飲む”という概念を払拭するための指導、患者管理について検討が必要と思いました。
 

お忙しい中、最後まで参加してくださった竹内先生にコメントをいただきました。「看護師だから」「薬剤師だから」「作業・理学療法士だから」とその職種”だけ”で解決するのではなく、多職種が連携して、協力するために、垣根を超えた活動や交流が重要だとおっしゃってました。『それぞれの”関節リウマチ”だけを知るのではなく、全体的な”関節リウマチ”のことを十分に知らなければならない』、この言葉の中には多職種の連携やチーム医療の重要性がギュッと凝縮していますね。関節リウマチだけでなく、関節リウマチからいろいろな疾患領域にも広めてほしいともおっしゃっていました。
 

お忙しい中、最後まで参加してくださった竹内先生にコメントをいただきました。「看護師だから」「薬剤師だから」「作業・理学療法士だから」とその職種”だけ”で解決するのではなく、多職種が連携して、協力するために、垣根を超えた活動や交流が重要だとおっしゃってました。『それぞれの”関節リウマチ”だけを知るのではなく、全体的な”関節リウマチ”のことを十分に知らなければならない』、この言葉の中には多職種の連携やチーム医療の重要性がギュッと凝縮していますね。関節リウマチだけでなく、関節リウマチからいろいろな疾患領域にも広めてほしいともおっしゃっていました。

                                                  文責 洲崎 みどり

bottom of page